テレビやイベント現場では、セリフや進行状況などを出演者にこっそり伝える「カンペ」が欠かせません。
従来はスケッチブックに文字を書いて見せるアナログな方法が主流でしたが、ここ数年、急速に注目を集めているのが「デジタルカンペ」です。
この記事では、そんなデジタルカンペの概要からメリット、活用事例、今後の展望までご紹介します。
そもそも「カンペ」とは?
「カンペ」は「カンニングペーパー」の略で、出演者に原稿の内容や時間の合図、ディレクターの指示などを視覚的に伝えるために使われる道具です。
テレビ番組の司会者が自然に進行する裏には、こうしたスタッフの支援が不可欠です。
デジタルカンペとは?
デジタルカンペとは、従来の紙ベースのカンペをタブレットやPCなどのデジタル機器で表示・操作できるようにしたものです。
クラウドとネットワークを活用して現場の作業効率化やペーパーレス化を実現します。
なぜ今「デジタルカンペ」なのか?
1. 働き方改革とペーパーレス化
放送・イベント現場でも“働き方改革”が求められる中、手書きや印刷、貼り付けといったアナログな工程は大きな負担。デジタルカンペなら、作業時間削減と紙資源節約が可能です。
2. クラウド管理による柔軟性
クラウドに保存されたカンペデータは、遠隔地への配信や再利用が容易。ロケ現場、スタジオ、控室、オンライン出演など、さまざまな状況に対応できます。
3. 出演者とのコミュニケーションの質向上
カウントダウン表示、複数ページの切り替え、色分けなど、視認性の高い表示が 可能。出演者が安心して進行できる環境を提供します。
導入事例
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テレビ局
: クイズ番組や生放送のタイムキープに導入。
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イベント運営
: 登壇者の話す順序や案内の確認用に活用。
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オンライン配信
: 司会者とスタッフが離れていてもスムーズなやりとりが可能。
特に、リモート出演や多拠点同時中継など、新たな放送スタイルとも相性が良いツールです。
今後の可能性:AI連携も視野に?
今後、以下のような発展が期待されています。
- AIによる自動カンペ生成(スクリプトからキーワード抽出)
- 音声認識と連動したページ切り替え
- 表情や視線に応じた自動プロンプト表示
まとめ:進行の裏側も“スマート”に
デジタルカンペは、目立たないけれど現場の“進行”を支える重要な存在です。アナログからデジタルへ──このシフトは、制作現場の未来をよりスマートに、柔軟に変えていくでしょう。